DocomoのMNPトラブルで起こる不利益とは?
1.キャリアの基本姿勢とは?
2.MNPとは?
3.『MNP』と転出客へのドコモの姿勢
4.『MNP』顧客の不利益事例(1)
5.『MNP』顧客の不利益事例(2)
6.サービスについてのトラブル解決は?
7.ドコモも含めた寡占業界の問題点
8.消費者、利用者側が賢くなるしかない!
9.まとめ
1.キャリアの基本姿勢とは?
NTTドコモだけでなく、auもソフトバンクも同じですが、基本的にいかに新規顧客を増やすかしか注力していません。
3社寡占(今度は楽天が参入も厳しいと思います)であり、他社からシェアを奪うこと、これこそが業績の鍵だからです。
よって、長期契約の顧客のサービスにはあまり注力せず、あの手この手で他社からのMNP客奪取の力を注ぎます。
2.MNPとは?
MNPは、現状の契約会社から『MNP予約番号』というものを発行してもらい、新規契約する会社にそのナンバーを伝えて契約すると携帯電話番号を変更せずに新会社の通信で使用できる仕組みです。
新会社と契約と同時に前の会社との解約手続きが進みます。
さて、この『MNP予約番号』の有効期限は15日間、失効すれば再交付できますし、発行しても使用しなければ現行契約会社との契約が継続されます。
3.『MNP』と転出客へのドコモの姿勢
さて、私はこの『MNP』において極めて深いな思い、酷い仕打ちをドコモから受けました。それは何か?
ドコモは、『MNP予約番号』を発行申請した時点で自社の契約者、顧客とは扱いません。
4.『MNP』顧客の不利益事例(1)
ここで、具体的に私が受けた仕打ちを紹介します。
2年縛りの契約更新月の月初に『MNP予約番号』の発行申請しました。ところが、数日後にスマホを落として画面が割れてしまいました。
そこで『ケータイ補償サービス』オプションに加入していたので、『Docomoショップ』で修理依頼をしたところ『修理は受付できない』と断られました。
おかしくないですか?
私は端末保障の契約で料金を支払い、かつ修理依頼時点ではドコモ契約者でした。これをドコモは断ってきたのです。
その理由は、『MNP予約番号』が発行されているからとのこと。要は、『MNP予約番号』を発行した時点で契約中の顧客扱いされないということです。
私はこの応対に納得できませんでした。店頭でダメならネットから会社本体のカスタマーサービスセンターに訴えました。
しかし、結果は同じ。丁寧な文言ではありますが、自社『ルール』で『MNP予約番号』発行したら修理受付できないとのこと。
また、解約済のドコモ・ブランド製品であれば、だれでも有償での修理対応しますが、『MNP予約番号』発行中はそれも対応できないとのこと。
明らかに自社からの転出者(その時点では転出見込み客)に不利益で報復する姿勢です。
それでも納得できなかった私は、再度カスタマーサービスセンターに申し入れました。
『MNP予約番号発行=解約ではない』、『保障サービスは解約まで有効であるはず』と指摘して反論しました。それでも結果は変わりませんでした。
自社の『規程(ルール)』だから仕方ない、ご理解くださいとのこと。
この時点で、この会社とは契約継続すべきでないと判断し、保障を諦めて『MNP予約番号』で転出を決断しました。
5.『MNP』顧客の不利益事例(2)
次の『MNP』での注意点は手続きの日付です。こちらはご存知の方も多いかと思いますが、『2年縛り』等の契約の場合には『契約更新月』という限定期間に解約手続きしないと解約手数料(違約金)が発生するというものです。
ここで私が被った2つめの不利益について紹介します。先の修理保障の問題でドコモとやり取りしてバタバタしていたので、『MNP』手続きが月末になってしまいました。しかし、最終日ではありません。
新会社への手続きは最終日前日に済ませていましたが、何と後日ドコモから最終月の通信料の請求と同時に解約手数料が請求されて銀行から引き落とされていました。
前回の件もあり、大変腹がたってすぐにドコモのカスタマーサービスセンターに連絡して事の次第を問い質しました。
いわく、新会社からMNP手続きの連絡が入ったのが最終日のサービス終了時刻以降だったので翌月処理の扱いとなったので違約金が発生したとのこと。
新会社からの情報到着時刻など開示されるはずもなく、言われるがまま不利益を被りました。
今回も前回同様に自社の『規程(ルール)』を述べるだけで、私の指摘する法的な回答はありませんでした。
6.サービスについてのトラブル解決は?
私の事例では、明らかに納得できる対応ではなかったので、一旦は消費者相談センターに相談しようと思いましたが、既に同様の苦情はたくさんあるだろうと考え、断念しました。
所詮は当事者間で解決というのが民事の基本だからです。
また、いつまでもこんな会社への対応を続けると精神的にも良くないので、『こんな会社との契約をすっぱり解約できて正解だった』と考え直すようにしました。
7.ドコモも含めた寡占業界の問題点
ここまで紹介したようにドコモのMNPでは不条理なことが沢山あり、要注意です。
しかし、これはドコモだけの姿勢、問題点でしょうか。恐らくは違います。あらゆるサービスや契約事は双方の利益が対等でないといけないはずですが、現実は違います。
特に携帯通信などの寡占化した業界では、明らかにサービス提供する事業者側が有利です。利用者側の事業者選択の余地が少ないからです。電気やガス、郵便もまさに同様ではないでしょうか。
携帯通信業界では大手キャリアはわずか3社、サービスや価格で大きな差はありません。
つまり、イメージとか初期の特典やキャンペーン内容ぐらいが選択の要件です。『iPhone』の新機種を使いたいとか、CMで好きなタレントを起用しているとか。
逆に事業者側もそこに注力してシェア(契約者数)を増大を目指す、その結果で一定以上の客単価が稼げるビジネスモデルなので収益が上げられる、これが実態でしょう。
冒頭で述べましたが、『MNP』での転出(見込み)客にはとにかく冷たい対応がなされます。今後自社に利益をもたらさない人とみなされるということです。他の2社も同じです。
新規(見込み)客のために広告やキャンペーン、特典などで客を釣る投資をします。この費用を継続客や転出客から捻出するのです。
8.消費者、利用者側が賢くなるしかない!
私個人としては、『MNP』はお勧めしません。
新しい通信事業者と契約した場合に電話番号が継続されるというメリットがどんどん小さくなってきており、先に述べた『不利益・不条理』のリスクが高いからです。
最近、私自身は既存契約は単なる解約おして、新会社は『MNP』ではなく『新規』として契約しています。
友人や関係者、各種契約機関に電話番号の変更を連絡する手間がありますが、どうせメールアドレスなども変更になるので、結果的に手間は大差ないと考えるようになりました。
それと通信もMVNO(格安SIM)に変更し、大幅に通信費を削減しました。これは大きなメリットです。
私と同様に大多数の人にとってまだまだキャリア会社の通信費は高すぎます。生命保険などと同じで、よく知らないうちに過分な条件で高い契約を強いられている構図でしょう。
もっと、利用者、契約者側が何が必要で何が不要かを理解して、シンプルな契約でコストにシビアになるべきです。
それができていないので、事業者側の勝手な理論とルールで不利な条件で契約させられる社会環境が維持されていると思います。
野球やサッカーなどのスポーツファンが選手を成長させるのと同じで利用者が事業者を成長させる姿勢が今後必要です。
9.まとめ
結論として、消費者・利用者側が賢くなるしかありません。事業者側から大きなサービス向上を期待するだけ無駄です。
しかし、そのうち人口減とIT進化で『MNP』が当然で無償で行われるような時代がやってくるかもしれませんね。